モスクワ・エレジー タルコフスキーに捧ぐ
ロシアが世界に誇る名匠アンドレイ・タルコフスキー監督。かつてソクーロフの第一回監督作品『孤独な声』が、旧ソビエト当局により上映禁止処分を受けた時、タルコフスキーは擁護し、更に「この映画にも欠点はあるが、それは天才による欠点だ」と評価した。そして後年ソクーロフは、タルコフスキーの人と思い出に捧げて本作を作った。彼の暮らした町や住まいを訪ね、その監督作品や撮影現場のメイキング映像を引用し、ナレーションも自分で担った。ちなみに終章に流れるチェロの演奏は、タルコフスキーと同じく亡命者だったムスティラフ・ロストロポーヴィチによるものである。