欲望の仮面

カトマンズに暮らす若夫婦。夫のディパクは夜間勤務の守衛。貞淑で信心深い妻サラスウォティと2人の娘とともにつつましいが愛情に溢れた暮らしをしている。夫婦の唯一の心配事はまだ息子がいないこと。ある日、世捨て人のサドゥに、男の子を授かりたければトリプラ女神のところへ祈りに行けと言われたサラスウォティは、半信半疑で従う。すると間もなく身ごもり、男の子を出産する。幸せを噛みしめる夫婦だったが、赤ん坊は生後数週間で死んでしまう。悲しみのあまり臥せったサラスウォティは、手伝いに来てくれた姑との仲もうまくいかなくなり、家庭内には一転して暗雲がたちこめる。そんな時、サラスウォティはトリプラ女神の魂の仲介者である祈祷師=ジャアクリニに会えとサドゥに言われたことを思い出す。ジャアクリニであるギタという女性は、若い頃、精神を病んだ夫の自殺によって神経衰弱になり、それがきっかけとなってジャアクリニになったのだった。ギタは若く精悍なディパクに心惹かれてしまう。ディパクに接近していくギタに、サラスウォティの心はふたたび乱れ、ついにある決心をする。もう1度、ギタ/ジャアクリニに治療の儀式をしてもらうのだ。だが儀式は2人の女性の争いに発展し……。

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